小諸市内の曹洞宗の禅寺「海應院(かいおういん)」は、コモロスミレが発見された場所として知られています。
ここではその海應院をご紹介いたします。
コモロスミレについてはコラム「きまぐれな可愛い花コモロスミレ」をご一読ください。
海應院の歴史
海應院の歴史は古く、室町時代にあたる1536年に開創されました。
当時の所在地は小諸城内の五軒町という場所で、現在の商店街の中ほどにあたるようです。
関ヶ原合戦の際には、真田氏を攻めた徳川秀忠の宿舎ともなりました。
真田氏を攻めていたために秀忠が関ヶ原合戦に間に合わず、家康から大目玉をくらった話は有名ですね。
当店の先祖もその戦にひと加担していたようですが、そのお話は当店コラム
「徳川秀忠、関ヶ原への途上で小諸城に逗留」に記してありますので
ご覧ください。
さて、海應院は江戸時代になって当時の小諸藩主である青山家の菩提寺とされ、現在の場所に移転しました。
また、城郭固めや方位を守る目的で周辺にいくつか寺社が移転してきたため、
現在でも海應院・宗心寺・光岳寺・成就寺と、連なるように寺院が集まっています。
寺のようす
海應院の山門正面は旧北国街道沿いになります。
山門を入ると石畳の参道が続き、寺の駐車場を横目で見ながら突き当たりを左手に曲がると中門がありますが、
季節になると中門手前の参道脇にコモロスミレがひっそりと咲いています。
中門を過ぎて渡り廊下を横切った先が本堂です。
本堂前は美しい芝生になっており、開けた空と共に心地良い空間を演出しています。
そこまで来て目を引くのが、巨大な松の樹です。
樹齢400年に達しようかというこの「潜竜の松」は、2度の火事によって上に伸びるはずの芽が燃えてしまい、
横に長く這うように成長したとのことです。
見事な枝ぶりは片翼が渡り廊下を越え、枝の端から端まで歩くと35歩を数えるほどでした。
海應院は観光施設でないため建物内の拝観や案内はおこなっていませんが、
参道や庭園は自由に見学することができます。
風情のある旧北国街道と併せて立ち寄られてはいかがでしょうか。
海應院へのアクセス
当店または小諸駅からは徒歩で10分余りです。
相生町の坂道をのぼり、荒町1丁目交差点を右折すると旧北国街道に入ります。
左に八十二銀行が見えるのでさらに進んでゆくと、ゆるいカーブ手前の左手にハム専門店があります。
少々わかりにくいかもしれませんが、その手前にある石門が海應院の入り口です。
向かい側には大きなタンクを備えた味噌工場と店舗があるので目印になります。
自家用車でいらした場合もここを入り、石畳を進んだ左側が駐車場になっています。