コモロスミレの概要
「コモロスミレ」(品種名 Viola mandshurica)は多くのスミレの種類のうち固有の品種で、
花びらが八重咲きの、他に類を見ない希少な花です。
無茎性多年性の草本で、草丈は大きいもので10センチ程度に成長します。
葉は披針形で基部に緩い心形があり葉柄には翼があります。
花が咲いたあと閉鎖花によって結実し、種子で繁殖します。
受粉に虫を必要としないということらしいですね。
大正12年(1923年)に小諸市の曹洞宗「海應院」で中條正勝氏によって発見され、当時はヤエスミレと呼ばれていたようですが、
のちに現在の名称がつけられて昭和48年(1973年)に小諸市の天然記念物および市の花に指定されました。
海應院については当店のコラム「コモロスミレのふるさと海應院」をご覧ください。
気まぐれな花
多くのスミレと同様4月下旬〜5月にかけて濃い紫色のかわいい花を咲かせますが、花びらの枚数は決まっているわけではなく、
同じ株でも一重から八重咲きの花が混在することがあります。
何年も育てているうちに全て一重に変わってしまう・・・などということもあります。
丹精して育ててもなかなかうまくゆかず、プランターに植えたはずがその外の荒れ地で元気に育っていたり、
道路際のコンクリートの隙間で花を咲かせたりする、
まるでネコのような気まぐれさのある不思議な花ですね。
コモロスミレに出会うには
「小諸」の名前がついているのだから、小諸に行けばどこでも見ることができる、
あるいは群生していたりするのかと期待されるかもしれません。
ところがこの花はなかなか手ごわく、ご覧いただくには咲いている場所を
事前にしっかり把握してからいらしたほうが良いでしょう。
さらに、苗が欲しいと思われたとしても販売している場所はほとんどありません。
一時期は市内で苗や種が多く出回り盛んに育成されたようですが、上記のような育てにくさもあって次第にブームが去り
近年は小諸市内でも手に入りにくい希少な存在となってしまったのです。
タイミング良く花の時期に小諸にいらっしゃったなら、まずは海應院、そして市役所隣接の「相生坂公園」を訪れてください。
駅に隣接する民間駐車場の歩道脇、あるいは街中の歩道の片隅などでひっそりと花を開いている様子にも出会えるかもしれません。
足元でけなげに咲くコモロスミレをぜひ探してみてください。
当店ではコモロスミレのオリジナルデザインを使った商品を販売しています。