当時最先端のコダックカメラ
わが家の先代が明治から大正時代にかけて渡米した際に、
現地で写真術を学び購入したカメラです。
コダック製という以外に品番も記されていないため詳しい機種はわからないのですが、
それまでの時代は乾板を取り換えながら1枚ずつ撮影していたものが、
ロールフィルムの開発により何枚も連続撮影できるようになった画期的なカメラシリーズのひとつのようです。
先代はこのカメラを日本に持ち帰ったあと、当時国内ではロールフィルムが手に入りづらかったため
手札判のガラス乾板で撮影できるように改造したそうです。
鏡銅は蛇腹で伸縮できるようになっており、
レンズをボディに収納し革ケースに納まります。
ベルトを肩にかけて持ち歩き、屋外各所で撮影したのでしょうね。
シンプルな構造ですから光漏れさえなければ今でも撮影に使えそうです。
なお、大正6年に島崎藤村が小諸を再訪した際に
先代が料亭に呼ばれ、このカメラを使って記念撮影をおこないました。
こちらのコラムでそのエピソードをご紹介しています。