有名な「牛に引かれて善光寺参り」の話は、小諸市の布引観音にちなむ伝説です。
その由来となる昔話を掲載いたします。
むかし、この地方に信心のうすい老婆が住んでおりました。この老婆が千曲川で布を晒しておりますと、どこからともなく一頭の牛が現れ、その布を角にかけて走り出しました。
老婆は、驚いて、野を越え、山越え、牛の後を追いかけましたが、ふと気がついてみますと善光寺の境内まで来ておりました。老婆は、やっとのことで牛に追いついたのかと思ったのもつかの間、牛は金堂のあたりで、突然姿を消してしまったではありませんか。
驚きと悲しみに疲れ果てた老婆は、あっけにとられてその場にたたずんでしまいました。
日も暮れる頃、どこからともなく一条の光明がさし、その霊光の尊さに思わずひざまずいて、菩提心を起こし一夜を金堂にこもって罪悪を詫び、家に帰ってまいりました。
ある日の事、ふと布引山を仰ぎ見ますと、岩角にあの布が吹き付けられているではありませんか。
老婆は何とかして取り戻したいと思いましたが断崖絶壁の事で取るすべもありません。
一心不乱に念じているうち、布と共に石と化してしまったと云うことです。
この布引山の断崖には今も白く布の形をした岩肌が眺められます。
布引観世音菩薩が、牛に化して信心うすい老婆を、善光寺阿弥陀如来の許に導いて教化をしたのだそうです。
この話は、信濃四大伝説の一つとして、今に語り伝えられております。
(小諸市による表示板から)
【布引観音(釈尊寺)】
神亀元年(724年)に行基によって開かれた天台宗の密教寺院です。
現存する伽藍の大半は江戸時代に小諸城主牧野周防守康明によって再建され、加えて堂宇の大半が整備されました。
観音堂内部の観音堂宮殿(かんのんどうくうでん)は鎌倉時代前期の正嘉2年(1258年)の建立で国の重要文化財に指定されています。
また、白山社社殿(はくさんしゃしゃでん)は長野県の県宝に指定されています。
「牛に引かれて善光寺参り」にちなむ 牛の木彫人形は当店で販売しております。
こちらのページをご覧ください。
布引観音についてもっと知りたい方は
こもろ観光局の特集ページをご覧ください。
なお、七年に一度の善光寺御開帳につきましては
善光寺のホームページをご覧ください。